そろそろ花咲くいろは推しについて言っておくか

ここのところ「花咲くいろは」という作品について、「なぜ応援するのか」「面白くなりそうなのか」という質問を立て続けに聞かれたのでちょっとだけ。


答えは作品の作り方が好き、それが応援する理由。


例えば先日公式サイトで公開された関口さんと岸田さんのインタビュー記事。

関口:
「確かに『花いろ』、というかピーエーワークスの作品は、一般的なアニメーション作品の立脚点かはらちょっとズレているのかも」
岸田:
「普通ならば、まず売れ線がこういうもので、そこにいろいろとテンプレ的なものを乗せていくと思うんです。でも『花いろ』では、“こういうことがやりたいんだ、それをアニメに乗せたら面白いんじゃないか!?”というのがハッキリしていました。僕がそれまでアニメ業界に抱いていたイメージや、体験してきたこととはちょっと違っていて、そこに惹かれたんだと思います」

http://www.hanasakuiroha.jp/interview.html

この中で「普通」「一般的」って言われているんだけど、本来アニメ含めた絵画、音楽、演劇・・・など芸術的要素のある物ってもっと自己中心的で良いはずだ。


そりゃね、アニメ会社だって「会社」なわけですよ。王や貴族と言ったパトロンがいたような昔の芸術家じゃない。自分が面白いと思ったって視聴者が面白いと思わなくてBD/DVDやグッズが売れなけりゃメシ食えない。でもテンプレ化した先にあるのは衰退かもしれない。例えば今の日本の音楽シーンの一部がまさにそれじゃないかと。売れ線のメロディーに売れ線の歌詞を乗っけてTVやラジオを使って放送し耳になじませ・・・アニメも同じようにテンプレート式に作っていては同じ道。


自分含め「消費者」は基本的にバカだ、作った物を「面白い」「面白くない」とか「泣けた」「泣けない」とか勝手に議論して盛り上がる単純な生き物だ。だからといって視聴者のその考えに頼るのではなく、「今までにない作品を作りました!」「これが僕らの信じる面白いだ」というような少し挑戦的な作品が欲しい。新しいアニメの世界を見せてくれるような作品を待っている。


花咲くいろは」からはそういった挑戦が読み取れる部分がある。もちろん他にもそういう作品はある、評価されていない物も多いけれど。*1


最後に同じインタビューからもう1つ。イケメンがどうのこうのというお世辞の言い合いはどうでもいいけどインタビューの次の部分。

実は撮影さんの処理で、ホホブラシ(*3)も以前よりも簡単に乗せられるようになったんです。以前だとレイヤーをものすごく分けなきゃいけないような作業があったんですけど、今は一枚の画でいけるらしくて。やはり岸田さんの絵にはホホブラシは外せないですね。これがあるとないとでは説得力が違います」

http://www.hanasakuiroha.jp/interview.html

チームが挑戦的だとこういう事が頻繁に起こるのだと思う。1人の挑戦が他のメンバーに影響を与えてより良いものが作られているところが想像できる。だから面白くなる、と信じている。


たかだか数年しかアニメを見ておらず、作ったことなんかこれっぽっちもない人間がいう戯れ言だけれどもそういう作品を応援したくて「花咲くいろは」を応援している。

*1:こういう作り方をする限り失敗も増えるのは必然かもしれない。